バッテパッポ

2005年8月26日(金)

 サンパウロ市南部ビラ・ナタル区に駐在していた軍警支部が家賃を二十カ月分滞納したかどで裁判所から立ち退き命令を受けた。通常立ち退きには軍警機動隊が出動するが、今回は同僚ということで出動は見合わせた。支部隊は十キロ離れた地方本部に引っ越した。同支部は三百人の編隊で八台のパトカーで付近をパトロールしていた。住民は治安が悪化すると立ち退きの反対集会を開いた。実はサンパウロ州の予算不足で支部を設置できなかったため、四年前から住民が募金して支部の家賃を払ってきた。このほかパトカーの修理費なども住民が負担してきたが、支払い能力が限界となり滞納したもの。それにしても住民にダッコにオンブの軍警に関係者は呆れ返っている。
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 ブラジルへの外国人観光客はこれまで二〇〇〇年の五三〇万人が最高だったが、今年は五五〇万人を見込んでいる。二〇〇三年の統計では世界のトップはフランスで七五〇〇万人、次いでスペインの五二五〇万人。ラテンアメリカ圏ではメキシコの一八七〇万人となっている。ところでブラジルへの不満はこれまで治安の悪さがトップだったが、最近の意識調査で三位に後退した。トップは標識や信号の不備、二位が公衆衛生となった。四位以下は英語が通じない、交通の便や、タクシーの応待が悪いなどが挙げられている。いっぽうで国内観光業界は、日本やアメリカ、オーストラリアの先進国に対し、ビザの発給が厳しく時間がかかるとして、観光担当省庁に改善を申し入れる動きが出ている。
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 ブラジルのプロサッカー選手は海外でプレーすることが勲章となっている。報酬や待遇がブラジルとはケタ違いであることが最大の理由。所属クラブ側も太刀打ち移籍料で潤うのを目的としている。ブラジル・サッカー連盟によると、昨年海外へ流出した選手は八百五十七人で一昨年より一人だけ少なかった。今年七月まで四百六人となっている。最多はポルトガル(五十二人)で次いで日本(二十七人)、三位は意外にもベトナム(十八人)。中南米の輸入国ではボリビア(十七人)となっている。逆に出戻組は七月までに三百四十九人で、ほとんどが現役でプレーをしている。契約したクラブによると、これらベテラン組は海外でプレーした満足感と、十分稼いできたため金銭面でうるさいことを言わないという。