2005年8月31日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】ブラジルは十二日、核燃料輸出国へ仲間入りした。多種ある核燃料のほんの一部に過ぎないが、年々成長する核燃料市場の動きに便乗するための措置と思われる。
レゼンデ市の核燃料工場(INB)は十年間で、本格生産に入る計画である。INB職員らは十二日、アルゼンチン向けウラン鉱石八百キロと二・六%の濃縮ウラン四百キロ、三・六%の濃縮ウラン四百キロを出荷した。隣国は、ほぼ自然の状態に近い〇・八%の濃縮ウランに混合する。
INBは韓国のKNFCと米国のウエスチングハウスと合弁で濃縮度四%に挑戦する。同製品は直径の細い延べ棒にする。この製品は、増殖炉での熱効率が非常に高い。アングラ二号炉は二〇〇八年、核燃料を新製品に変える予定だ。
ブラジルの輸出体制が整うのは、二〇一〇年とみられる。それまでに増殖炉十機をフル稼動させ、アングラ一号と二号で消費する核燃料の六〇%を国内生産する。十年以内には三号まで完全自給にする。
自給率六〇%に達すると、国庫から受領していた補助金は不要になる見込みだ。自給体制ができれば五号炉六号炉と建設され、百八十トンの粉末ウラニウムと十五万トンの濃縮ウランが必要になる。
ブラジルの原子力発電は、多くの時間がかかるのが悩みの種であった。しかし九月には国際原子力委員会(IAEA)からセーフガード(輸入制限)が認められる運びとなった。
またブラジルが開発した、五%までのウラン濃縮が可能な超高速増殖炉についても、IAEAの正式見解が発表される。また濃縮ウランの横流しをしないことも契約させられる。
セーフガードが認められると、将来の核燃料輸出で増殖炉の増設が認められ、ブラジルは有利になる。十機ある増殖炉の製造費は、三億レアルかかった。