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投資先が隣国にシフト=国際債券市場で地位低下

2005年9月01日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十一日】ブラジルの政治危機と最近のアルゼンチン経済の好調により、新興経済国を始めとする公債市場において、ブラジルの地位が低下し始めた。
 米国のコンサルタント会社イマージング・ポートフフォリオの調査によると、一月末には調査対象となった投資ファンド資金の二〇・四%がブラジルの公債に向かっていたが、五月以降その比率を徐々に下げて七月末には一五・七%となった。一方、アルゼンチンの比率は一月末の三・三%から七月末には六・七%へと上昇した。
 ブラジルの公債の売りが顕著となったのは、汚職スキャンダルが始まった六月で、ブラジルに流入した三〇億ドルのうち、三億二五一〇万ドルが売りに出された。七月にも一億二〇〇〇万ドルが売りとなった。アルゼンチンの公債は六月に三億四六〇〇万ドル分が買われた。
 また、カントリーリスクも八月三十日時点でブラジル四一六ポイント、アルゼンチン四四五ポイントと大差がない。六月十三日に九一〇ポイントだったアルゼンチンのリスクは、七月一日に四五三ポイントへと大きく低下した。
 しかし一方で、アルゼンチンの経済成長は過去の停滞分を取り戻しているだけで来年にはブレーキがかかる、同国への資金流入は通貨流通量の世界的緩和に支えられただけという厳しい評価もある。低下傾向にあるとはいえ、ブラジルは現在のところ投資先として、メキシコやベネズエラを抜き、トップの座を維持している。