ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 今度は竜巻大暴れ=300世帯が家を失う=南大河州

今度は竜巻大暴れ=300世帯が家を失う=南大河州

2005年9月01日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】ブラジル南部で二十九日夜から三十日早朝にかけて竜巻が発生、家屋が吹き飛ばされ、停電するなどの被害が相次いだ。リオ・グランデ・ド・スル州では十七市が被害にあったが、中でもムイントス・カポンエス市では風速毎時一二〇キロの竜巻で人口の一〇%に相当する三百世帯が家を失った。また終日停電となり、市の活動は停止した。これにともなってヒョウ混じりの豪雨が襲い混乱を増した。
 サンタ・カタリーナ州でも七市が終日停電となった。一日もヒョウをともなった集中豪雨と風速百キロを超す突風が吹き荒れることが予想され警戒を呼びかけている。海岸では三・五メートルから五メートルの波でしけになることから、漁船は停泊するよう警告を発している。
 リオ・グランデ・ド・スル州で発生した竜巻はサイクロンの前兆で、サイクロンは早くて九月一日に発生し、同州に広がるとみられている。竜巻もサイクロンも高気圧と低気圧がぶつかることで気流が発生する。竜巻は通常百メートル範囲で高さ三百メートルだが、サイクロンは五百キロの範囲で、高さ十キロの大規模なものになる。高気圧と低気圧の温度差が大きい程、大規模となる。どちらもヒョウ混じりの集中豪雨をともなう。
 サイクロンは近年とみに発生が顕著となっている。同州でこれまで被害が甚大だったのは二〇〇一年七月のボン・ジェズス市、同じく十月のビアマン市、二〇〇三年十二月のアントニオ・プラド市が挙げられ、計八人が死亡している。
 突風は瞬間的な暴風だが、サイクロンは熱帯性低気圧に寒気をともなった空気が流れ込むことで内陸に発生する率が高い。竜巻は海上でも発生する。台風は西南太平洋で発生し、中心風速毎秒十七メートル以上の熱帯低気圧。ハリケーンはメキシコ湾に発生する熱帯性低気圧とされている。