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コラム 樹海

 さきにJICA派遣のシニアおよび青年ボランティアたちが、新聞紙面にものを書いたり、コメントをする際、JICA側のチェックを経なければならない、と書いた。本紙記者が日本語普及センターのシニアに取材でコメントを求めた際、「JICAの許可を得なければ、しゃべれない」ということが実際あった▼本紙が青年たちのリレーエッセイを掲載するに際して、JICA側が事前に「読む」というのは、本紙側も了解していた。そのことをこの欄で「検閲だ」と書いたので、JICA側から抗議があった。話し合いができていたにもかかわらず、ということで〃協定違反〃のようになってしまった。これはあやまらなければならない▼ただ、シニアが率直に意見なり見解を述べたり、青年たちがのびのびと書いたのが、そのまま活字にならない場合もあるのは、不自由なこと、なくもがなだ、の思いはなお残る▼青年たちが赴任先の「あること」を書いて、現地側に迷惑をかける、あるいは、青年たちの将来に支障が生じることがある、派遣事業の根幹にかかわる事態が発生しては取り返しがつかない、というのが、事前に原稿を見る理由のようである▼もっともな理由であり、JICAとしては「強固な、譲れない一線」のようだ。選び抜かれて赴任してきた青年たちや、その道のベテランのシニアたちは、どう考えているのだろう。納得づくで赴任して来たのだから、それもやむを得ないと割り切っているのだろうか。                            (神)

05/09/02