2005年9月3日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】二〇〇二年に殺害された当時のサント・アンドレ市セルソ・ダニエル市長の事件と、労働者党(PT)不正資金の関連を調べている議会調査委員会(CPI)で、同市長の実兄フランシスコ・ダニエル医師は同市内に不正資金調達グループが実在し、その金を当時のジルセウPT党首(前官房長官)に届けていたと改めて証言した。
また同市長は党の命令でB帳簿と呼ばれる裏帳簿を作成し、党への上納金を管理していた。しかしこれらグループの汚職や恐喝を突き止め、告発しようとしたために殺害されたとして、殺害は計画的かつ懸賞金つきのものだったと断言した。さらに当時、グループは脅迫まがいの行為でB帳簿作成を強要したため、同市長は拒否できない状況にあったと述べた。
これを裏付ける証人としてルーラ大統領の現秘書室長カルバーリョ氏を当時の上納金の運搬人だったと名指した。カルバーリョ氏は当時、同市の補佐官をしており、上納金を同市からサンパウロ市のジルセウ党首のもとまで自家用の黒いコルサ車で何度も運んだという。
この資金はマルタ前サンパウロ市長の選挙資金に大半が費やされ、残りは党本部に保管された。カルバーリョ氏は運搬の際「死ぬ程怖かった」と打ち明けたとのこと。さらに同氏は、資金調達グループは常にテーブルの上にピストルを置いてギャングまがいに話を進めるとして、身の危険があるので一切口外してはくれるなと要請した。
この話し合いの場にはフランシスコ医師とその弟のブルノ氏、さらに身の安全上、名は明かせないがもう一人の人物が立ち会ったと証言している。
いっぽうでサンパウロ州検察局は、同市長殺害の実行犯として逮捕済の三人の容疑者が市長殺害を一〇〇万レアルで請負ったと自供したことを明らかにした。三人は市長を拷問して「ある書類」のありかを白状させ、奪った上で殺害するよう命じられたという。報酬は分割払いの約束だったが今だに受取っていない由。
これを裏付けるように逮捕された不正グループの一人は、計画の発案者で命令を下したのはゴーメス容疑者(汚職および同市長殺人教唆で逮捕済)だと明言している。
これに対し名指しされたカルバーリョ室長は声明文の中で「事実無根」だとして金の運搬などあり得なかったと反論している。またジルセウ元党首は以前の告発と同じ証言で、この告発に対しては名誉き損で告訴済みだとし、法廷で決着をつけるとの見解を示している。