2005年9月6日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】郵便局汚職にからむ政党不正資金を調査してきた議会調査委員会(CPI)が、下院議員十八人の議員権はく奪を国会に上程することを決定した(本紙二面三日付既報)のを受けて、「灰色議員」と名指しされた議員と所属政党は水面下で政治生命の救命活動を始めた。
議員権はく奪でリストアップされたのは、労働者党(PT)では渦中の人物の中で最も去就が注目されているジルセウ前官房長官をはじめ七議員、ブラジル労働党(PTB)では告発の火つけをして仕掛人と呼ばれるジェファーソン前党首を含む二議員、自由党(PL)は三議員、ブラジル民主運動党(PMDB)は一議員、進歩党(PP)は四議員、自由前線党(PFL)は一議員となっている。このほかPLのコスタ・ネット前党首は罪を認めて、すでに議員辞職届を提出している。
これらの議員の救命運動が活発化しており、PPでは四人の灰色議員を含む党幹部が同党のカヴァルカンチ下院議長宅に集結し、同党挙げて、国会議決で反対票を獲得すべく他党議員抱き込みに奔走することを申し合わせた。同党筋によると、PLとPTBが、それぞれの党所属議員に反対票を投じることで合意に達したという。
国会議決が無記名投票であることが灰色議員にとっては利点となっている。名前が知られないのを良いことに、金や政党間のテーブル下の裏協約など買収工作に来る議員が多いからだ。過去のこの種の議決では、一九九四年一月に十八議員が汚職で摘発されながら、表決では八人が多数決で無罪となった経緯がある。
今回の議決でも多数の議員が無罪となる可能性が高く、関係者は記名投票にして各議員の投票の賛否が選挙民に知られない限り、議員権はく奪の議決はうやむやの結末になると指摘する。ただ、大方はジェファーソン元党首のはく奪は避けられないと予測している。議員の中でも反対票を投じると明言しているのは、今のところ皆無だ。