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下院議長追放、やぶへびに=野党、既定方針不変で=食堂経営者、前言ひるがえす=議長は徹底抗戦の構え

2005年9月7日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】下院食堂の経営者ブアニ氏は五日、下院議長に営業継続のためリベートを支払ったとする前言を翻した。やぶへびとなった野党四党のカヴァウカンチ下院議長に対する休職要請は、引き続き一時離任で追及とした。要請内容は、嫌疑を音沙汰される者が国家の要職に止まるのは相応しくないとした。下院議長は、告発を全面否定。公職に就いて四十年、人生の汚点になることは一切ないと宣言し、かかる動きは言葉のアヤを弄ぶ作為だとした。一方ブアニ氏は食堂経営が火の車なのに、リベートどころではないという。
 梯子を取り払われた野党四党は、カヴァウカンチ下院議長の議員権はく奪に向けた動きを公式文書で申請し、審議は継続されることになった。下院議長は当初、申請文書を自身で受け取る意向であったが、同件では誰をも応対しないと態度を豹変した。
 申請書には四党の代表のみが署名し、PDT(民主労働党)とPT(労働者党)左派は棄権した。野党は引き続き、他の食堂についてもリベートの有無や入札抜きの契約更新など告発の疑問点を調査する。リベート疑惑は〇二年、下院議長就任前の下院第一書記時代に遡って解明する。
 食堂経営者のブアニ氏は記者団に、リベートを強要された事実を証明する書類と証人の提示を約束した。しかし、同経営者が五日、経営者の感覚で考え直し前言を否認した。しかし、野党は既定通り戦略を変更しないとしている。
 野党は下院議長の離任申請で正式手続きを行う前、PSDB(民主社会党)を中心とし演説論旨のことば合わせで戦略会議を開いた。下院議長追い落としには状況証拠があり、他党の合流を待って議長追放劇の流れを作る考えらしい。
 一方、カヴァウカンチ下院議長は「野党は言葉のアヤを弄び、無責任で卑劣な事実無根の告発で当事者を裁く」とする声明書を発表し、野党の動きに反発した。ブアニ氏の食堂は、上院で十五年にわたり好評を得ている。下院でも年々、契約を更新し営業を認めていると述べた。
 契約更新と営業継続が焦点となった〇三年、同下院議長は第一書記の任になく、契約内容吟味の任になかったと述べた。ブアニ氏がそれを下院議長名指しで告発したのであれば、信用できない友情に基づく誤解であるとした。
 下院議長にリベートを払ったとする前言を、舌も乾かぬうちに経営者のブアニ氏は否定した。下院監査委員会に召喚された同氏が、食堂は火の車であるのにリベートを払う金がどこにあるかとうそぶいた。同氏の弁護士は三日、記者団に下院議長からリベートの支払いを強要されたと言明した。しかし、ブアニ氏からけん制されたようだ。
 下院議長が第一書記であった当時は、色々あったようだ。しかし、カヴァウカンチ下議が下院議長となった現在、事実はどうであれ軽率な言動は、商売に差し支えると考えたようだ。個人のプライドよりも商売を優先するブアニ氏のしたたかな計算がある。