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ジルセウ下議の政敵は誰か?=戦意失った部隊連れ孤軍奮闘

2005年9月7日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八月二十四日】今回の政治危機の水源地はどこなのか。水源地は旧パラナ銀という噂もある。背後で糸を引く仕掛け人は誰か。巷間の話題は事欠かないが、焦点は風前のともし火ともいわれるジルセウ下議の周辺のようだ。
 同下議が育てた我が子労働者党(PT)からの追放もありそうな形勢だ。PT城に打ち込まれた砲弾で同下議は重傷を負い、官房室から運び出された。同下議の反撃は、どこを狙っているのか。挑発的告発を行ったジェフェルソン下議の首なのか。
 しかし、ジルセウ下議の抗弁もどこかかみ合わないのだ。同下議は行為に対する抗議ではなく、ジルセウ下議の政治生命抹殺を政敵が企てているという。ジルセウ下議の政敵とは一体、誰なのか。
 同下議の悩みは倫理ではなく先立つ士気だという。PTの泣き所は、裏金でも票買収でも違法送金の有無でもない。戦争だというのに戦闘意欲がないPTの慢性的体質のことだ。同下議は、貧血を患った病人兵部隊の指揮官なのか。敵は病人兵と戦う気はない。指揮官を倒すのが目的か。
 ヴァレーリオ氏は、餓死寸前のPT党員に命の水を注いだ政商である。融通した金は必ず返済するとソアレス前財務担当が確約したはずだ。都合が悪くなったから金は返さない、金はテメエが勝手に都合してくれたのだ、悪いのはテメエだけだと、口が裂けても言えることではない。
 腐っても鯛というなら、腐っても前官房長官だ。平下議とは訳が違うから、言いたいことも言えない。一喝で恫喝したいところも耐え、野良犬が吠えても低姿勢でこらえている。
 議会はイウデブランド下議を、議員になる前にチェーンソーで生身の人間を刻んだ罪で罰した前例がある。前官房長官も長官に就任する前の倫理問題を、官房長官として議会は裁かざるを得ない。
 前官房長官は官房を辞任し、平の下議になりたいが法律上はできない。まだ官房の給料を貰っていた責任が、終了するのを待っている。同下議は二〇〇三年、ペトロブラスの経営審議会メンバーであったころの責任問題も問われている。直接関係がないポルトガル・テレコムにも対応義務がある。
 PTは九月十八日、党大会を行う。ジルセウ下議の自己弁護は理解に苦しむ部分がある。同下議が議員辞職をし、下野していたなら丸く治まったと反主流派はいう。多数派の力で牙を剥き出すなら、行為に対してではなく存在に対して反主流派が同下議を裁くことになるとつぶやいている。