2005年9月9日(金)
今年で三回目となる第一アリアンサ小学校同窓会が入植八十一年祭に合わせ、四日午前十一時から同移住地で行われた。前日、三日の夜には入植を祝い、盆踊りが盛大に開催された。サンパウロからは四十五名が参加。互いに昔の話に花を咲かせ、楽しいひと時を共にふるさとで過ごした。
同窓会が始まったのは一九九六年。二九年から七〇年までの卒業生を対象に五年おきに行ってきた。一回目は二百人もの同窓生が集まったが「三回目ともなると亡くなる人も増えて参加者が減る」と言うように同窓会を始めたうちの一人、浅田和泉さんも九八年に亡くなった。そのような人びとのためにも追悼ミサを行った。
山崎静明第一アリアンサ日伯文化協会会長は「開催おめでとうございます。旧友に会って昔を語り合い、これからも仲を深めて下さい」と挨拶。アリアンサ郷友会の会長を約二十年務める木多清志さんは「六十年前に小学校を卒業した。あの頃の様子が今でも脳裏に焼きついていて、ざわざわ騒いだ声が今でも聞こえてくるような気がします」と話した。
同会二回目には寄付を募って同地に子ども達のために遊具を増設した。また、同年は「ブラジル発見五百年」であったため、パウ・ブラジルとイペーを植樹。今年は桜を十二本植樹した。種類は「雪割」「ヒマラヤ」「沖縄」の三種。植物研究家の荒井ジュリオさんが苗を持ってきた。
同会代表として蓮沼さんは「私どもは小学校でポルトガル語を覚えたので感謝している。この恩返しをしようと思って、遊具を増設したり、植樹をした。五年後には桜が開花していると思うので、皆さん楽しみに待ちましょう」と述べ「予想以上に参加者がいてありがたい。皆さんが懐かしそうに話す姿を見られて良かった」と喜びを表した。
また、同地に入植、コロニア文芸界で短歌の指導をした故・岩波菊治さんの娘、藤岡岩波みよしさんと姉のさゆりさんも参加。みよしさんは、父の歌碑を見るため今回初めて同地に訪れた。「ふるさとの 信濃のくにのやま川は こころにしみて とわにおもわむ」と彫られた歌碑を見て「父は毎日短歌を詠んでいたそう」と思いを馳せ、「イビラプエラ、モジ、長野の歌碑は見たことがあったけど、ここのだけ見たことがなかったので見れてよかった」と満足気な様子で話した。
第一移住者、上条佐和太さんの従兄弟にあたる守屋保尾さんは「ここは由緒ある移住地。百姓もしたことがない父母が、夢を持って移住した地で、本当に素晴らしい時を一緒に過ごさせて頂いて嬉しい」と声を詰まらせた。
最後に、同会を結成したメンバーの一人である蓮池幸雄さんは「皆、昔の話を楽しくできて喜んでくれたから良かった」と話した。