2005年9月13日(火)
サンパウロ日伯援護協会、救済会、ブラジル日系老人クラブ連合会、日系高齢化社会研究グループ主催の第三十六回老人週間が、十日午前八時から、ブラジル日本文化協会大講堂で開催された。テーマは「若い世代につたえよう、私たちの心」。大勢の人が会場に詰めかけ、体操や、ショーなどを鑑賞して楽しんだ。また、援協の協力で血圧、血糖値、記憶力測定など無料健康診断が行われ、朝早くから受付には長い列ができた。
午前中は竹村英郎さんによる「あけぼの体操」やシャーロム・デイサービスによる指体操が行われ、会場に訪れた人も一緒になって体操をした。また、「医療サービスの利用について」西国泰子医師が講演を行った。
介護部門で派遣されたJICA青年、シニアボランティア七人による寸劇、「転ばぬ先のチエ」も披露された。これは高齢者介護のヒントを劇にしたもの。「転んで怪我をしたら危ないから、と家にこもっていないで外に出かけましょう」「部屋は整理・整頓をして転ばないようにしましょう」などを主張した。また、足が悪い場合の階段の昇り降り、乗車の仕方などを説明した。
昼食を挟んで午後からは記念式典が行われた。最高齢者男女各一名ずつには記念表彰が贈呈された。
その後、飯島秀昭蒼鳳社社長が「日本の心」をテーマに基調講演を行った。ブラジルを美しくする会の役員でもある飯島さんは現在、毎朝四時に起きて近所を掃除している。「掃除をする人は汚さない。小さいことでも継続すれば成果が出る」。また、よさこいソーランの普及に努める中で見出した三原則を披露。「時間を守る、挨拶をする、身の回りを綺麗にすることを若い人に守ってもらっている」と話し「ブラジルには日本の心がある。日本人として誇りを持ってここで働き、社会貢献したい」と話した。
ショーでは祥悦会による剣舞、戸塚マリ舞踏教室によるフラメンコを披露。島田正市作品集発表では九十四歳にもなる蔵本亜佐子さんが「人生これから」を元気に熱唱した。「若い人とばかりつるむようにしている。長生きの秘訣は歌だ」と話した。
広島県人会神楽保存会は今回で二回目となる神楽を披露した。舞台に上がったのは全員がブラジル人。十一歳から大学生までが一生懸命演じた。渡伯して三十年、神楽を教わり、今は指導する立場にあるという古田川英雄さんは「是非若い人に神楽をして欲しい。若かったらすぐに覚えられるし、日本の文化を知るチャンスにもなる」と話した。去年十二月頃から人を集め、日本からも国際交流員として二名派遣され、神楽の指導をしてもらったそう。
重岡康人老ク連会長は「朝からたくさんの人が集まってくれたのでよかった。ショーでは若い人が頑張っていて、今日のテーマを表したものとして感謝しています」と感想を話した。
杉本正老ク連相談役も「しつけなど日本人的な考え方を若い人に伝えていきたい。これが私たち老人の最後の役目」と語った。