ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

 「刺客」だ「くノ一」のと物騒な言葉が飛び散った選挙だったが、蓋を開ければ自民党の歴史的な圧勝、民主党の大惨敗。終盤戦の調査で与党優勢の判断はできたが、まさか296議席も獲得するとは―。これに公明党を合わせると327議席になり、衆院定数の3分の2を上回る大勝である。逆に民主党は公示前より64議席減の113議席という敗北を喫し岡田代表は辞任を表明する▼小泉首相の「郵政民営化論」が、これほど国民に支持されると考えた人は少ないのではないか。民主党は年金とか子育てなどの社会福祉を軸にした公約を掲げたけれども、有権者は「民営化」が日本の将来に必要だとの認識を示したと見ていい。自民が衆院で単独過半数を超えるのは15年ぶりであり、首相の政治基盤は一気に強まり、派閥の力が一段と衰退するのも間違いない▼この選挙では女性当選者が43人と過去最多になったし、新党大地を旗揚げした鈴木宗男氏が政界復帰を果たすなど話題も多い。ミス東大から財務官僚となって防衛費の削減に大鉈を振るった「刺客」の片山さつき氏も堂々の当選。郵政反対派の綿貫民輔元衆院議長と亀井静香氏は戦い抜き衆議のポストを確保したが―土井たか子元衆院議長はあえなく落選し国会を去った▼与党の議席がこれだけ増えたので臨時国会における「郵政民営化法案」の衆院可決は確実だし、小泉後継の問題も含めて政界はちょっと賑やかになる。それに―小泉政権の継続論も強くなっているし永田町の動きから暫くは目を離せない。   (遯)

05/09/13