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ブラジルを中継地に=中国企業が現地調査実施

2005年9月14日(水)

 【ヴァロール誌八月十八日】ブラジルが、中国の対EUと南米向け電子製品輸出の中継地になろうとしている。世界最大といわれるコンピューターモニターのメーカーAOCやTCLなど中国の多国籍企業多数が、すでにブラジルで現地調査を行った。
 中国政府はこれらのメーカーに二五%の資本参加を行い、二〇〇三年からブラジルで製造販売を検討中だ。TCLは過去三年にフランスのテレビメーカー・トンプソンを吸収し〇四年に五〇億ドルを売上げた。〇五年は八八億ドルを売上げる予定で、世界最大のTVメーカーに成長した。
 中国メーカーには二つの戦略がある。一はタイガー作戦で、中国市場のシェア堅持。二はドラゴン作戦、五年計画で五社連合による多国籍企業グループを組織する。TCLは中国国内の作戦の実験で成功を収め、海外で作戦実施を試みた先発隊ともいえる。
 中国の先発隊にとって、ブラジルは初土俵である。中国はブラジルを足がかりに、南米市場を制覇する考えのようだ。ブラジルをショールームにして、中国製品のオンパレードを繰り広げるつもりらしい。
 豆ランプから洗濯機、コンピューター、プレイヤーなどを持ち込む計画だ。そのうち、何をブラジルで生産するか思案中。米企業の下請け生産をし、ブラジルでまだ販売されていない製品も入ってくる。
 中国製品の世界制覇にとって、ブラジルは重要な戦略拠点である。中国は色モノでは、海外に八工場を有する。しかし、白モノは海外にない。それでブラジルに白モノの工場進出を計画している。
 年末までには中国製の電気製品が、ブラジル市場にお目見えするはずだ。何をブラジルに持ち込むかは、目下市場調査を行っている。マナウス経済特区についても検討中である。メキシコが北米の戦略拠点になったように、ブラジルが中国にとって南米とEUの戦略拠点になるらしい。

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