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大統領支持率、さらに低下=就任以来最低の50%=「私以外ならマイナス」と強気

2005年9月15日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】国会議員の汚職や与党労働者党(PT)の不正資金が発覚して政局が三カ月も混迷を続ける中、ルーラ大統領および政府の支持率が下落した。定期的に国内運輸連盟(CNT)の委託を受けて世論調査を行っているコンサルタント機関センススが十三日に発表した結果によると、大統領の支持率は五〇%と就任以来最低となった。
 調査は六日から八日にかけて全国百九十五都市の二千人を対象に行われた。それによると支持率は五〇%(七月の前回調査は五九・九%)、これまでの最高は二〇〇三年八月の七六・七%、最低は二〇〇四年六月の五四・一%で、今回は最低記録を塗り変えた。いっぽうで不支持は三九・四%(前回は三〇・二%)とこれ又最高となった。これまでの最低は、やはり二〇〇三年八月の一六・二%、最高は今年五月の三二・七%となっていた。
 大統領の支持と不支持の差は七月の時点で二九・七ポイント(五九・九%マイナス三〇・二%)で支持率がリードしているが、今回は一〇・六ポイント(五〇%マイナス三九・四%)に落ち込み、その差が縮小したことを如実に示した。これまでの支持から不支持に転向した数は有権者総数一億二千二百万人強(選管発表)のうち一千二百万人に上る。
 これに対し政府への評価はさらに低く、支持は三五・八%(前回四〇・三%)、不支持は二四%(同二〇%)となった。向う六カ月間の政府の経済政策の効果は四一・二%が期待できるとし、五二・一%はノーと答えた。
 さらに注目されるのは来年の大統領選挙の仮定投票で、決選投票でセーラサンパウロ市長が三七・五%となりルーラ大統領の三七・九%に肉迫した(予想の誤差は上下三%)。セーラ市長が二カ月間で一三・六%上昇した。そのほかカルドーゾ前大統領、アウキミンサンパウロ州知事、ネーヴェス・ミナス・ジェライス州知事らもこれまで第一次投票で敗戦するとの世論をくつがえし、いずれも決選投票に持ち込むという結果になった。
 グアテマラを公式訪問中のルーラ大統領は宿泊中のホテルのロビーで共同記者会見に応じた。会見は立ったままで五分間という短いものだったが、大統領就任以来マスコミ嫌いになったにもかかわらず、上機嫌で質問に答えた。
 今回の世論調査は側近から知らされたとし、「国民の声を反映する調査をないがしろにする気は毛頭ない」とした上で、「もし私以外の人間が大統領だったら、支持率はゼロを通り越してマイナスになっていたはず」と述べ、政府は国民と一体であると強調した。
 またマルフ元サンパウロ市長やセヴェリーノ・カバウカンチ下院議長の汚職や不正については、連警の捜査のもとでクロと断定されたら、いかなる人物であろうとも刑に服すべきだと主張した。さらにPTが大統領をはじめとする親族の旅費を肩代りしていたことにつき、「他党ならいざ知らず、自党のために尽しており、自党が旅費を払うのは当り前のことだ」と強調した。