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安保理改革を再度訴え=ルーラ大統領=飢餓貧困対策で協力約束

2005年9月16日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十五日】ルーラ大統領は十四日、国連テロ対策特別総会の演説で、安全保障理事会常任理事国入りを目指した四カ国(G4=ブラジル、日本、ドイツ、インド)への言及を避けながらも、大規模な国連改革につながる常任理事国拡大を再度擁護した。
 「透明性と代表性の点で明らかな欠陥を抱えたまま、安保理が運営を続けることは認められない」と述べた大統領は、テロとアフリカの貧困撲滅を引き合いに出しつつ、大きな転換点を迎える国際社会で政治的・経済的要求に安保理が応えてゆく必要があるとし、世界平和と国際安全保障の推進に向け、安保理が「とりわけ相互的」であり続けるべきだと訴えた。
 また大統領は、飢餓と貧困撲滅のため、国際航空運賃から一ドルまたは二ドルの負担金を徴収するというフランスのシラク大統領の新たな財政支援策をブラジル政府が支持、将来採用したい考えを発表、それに加えて出稼ぎ送金コストの低減も提案した。
 同日行われた共同記者会見で大統領は、国内の汚職や政治危機、不安定な政治情勢が貧困対策の足を引っ張ることはないと述べた。汚職に対してはブラジルでかつてなかったほど対策が打たれているとし、直接名前を出さなかったが、例としてマルフ元サンパウロ市長の逮捕を示唆した。また「五百年来の問題を四年で解決することはできないだろう」と、すべての問題の責任は負わない態度を明らかにした。