2005年9月16日(金)
十四日に最高裁大法廷によって出された在外選挙訴訟の判決文には、「国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民(以下、『在外国民』という。)―」という一文がある。今まで「在外邦人」など言われてきたが、「在外国民」という言葉が公に使われるのは初めてかもしれない。単に「外国からも選挙区に投票できる」だけでなく、「国外に住んでいても国内国民と同じ権利が保障される」という意味合いを強くかもしだす言葉であり、「移住者もまた日本国民である」と明記したに等しい。その意味でも画期的な判決文だろう。
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グァタパラ文協の総務財務委員会は、さきの定例会議で、サンパウロ在住の一夫婦の、同文協準会員加入を承認した。夫婦は定年後グァタパラ移住地に住むことを決めているとか。同移住地も全く犯罪の発生しない別天地ではない。『グァタパラ新聞』には、ときどき、在住者が泥棒の被害(加害者はいない!)にあったことが記事になる。それでも、都会とさまざま比較してみて、住みたい気持になるのだろう。
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レジストロ出身の二世の男性がこのほど、日本語で自分史の原稿を書き日毎叢書企画出版に持ち込んだ。この男性は八〇代半ば。四歳で母親、六歳で父親を亡くし、親戚の元で育てられた。両親の記録を残し、子供たちにルーツを伝えていこうと思い立った。ポルトガル語版もつくるつもり。自分史の出版は老ク連などで啓蒙されていることから、一世の間で広がっている。二世が執筆するのは、結構珍しいそう。