2005年9月17日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】サンパウロ州内の税制の見直しを進めてきたアウキミン知事は十五日、商品流通サービス税(ICMS)の引き下げや中小企業の免税枠拡大などによる二億レアル規模の減税案を発表した。
ICMSの引き下げにより市場価格を抑えることで消費者の購買意欲を増進、需要拡大につなげ、産業を活性化させることと、中小企業への免税や減税ならびに低利での融資枠拡大で生産活動を活性化させるのが狙い。とくに、中小企業では統計に表れないが、正規雇用はポテンシャリティ(潜在能力)が高いにもかかわらず、税金が高いため伸びなかった経緯がある。その壁を取り除くことで正規雇用が増え、サンパウロ州が一番頭を悩ましている失業問題の改善につながると同知事は強調している。
十五日にとりあえず州政令として発効したのが、セスタバジカと呼ばれる日用必需品のICMSの引き下げで、例えばパンおよびヨーグルトの乳製品が従来の一二%から七%へと下がった。これにより消費者への末端価格は五%から六%の値下げが可能とみられている。
このほかベルト、ハンドバッグ、財布などのアクセサリー製品へのICMSが一八%から一二%へと引き下げられた。これらの製造業者は中小企業が多く、昨今のドル安で輸出が芳しくなく不況に陥っているための措置とされた。
さらに財務省と国税庁および全国各州財務長官の会合で決定される議題には、天然ガスを一二%から七%に、航空機購入を四%から免税に、港湾施設修理用の機器類をこれまでの八・八%から一八%となっていたのを全面的に免税にする案が含まれる。天然ガスはバスや自家用車の燃料として使用されており、とくに市営バスなどの経費削減に効果がある。航空機や港湾施設は運輸部門の改善と、インフラ整備への設備投資の軽減を狙ったもの。
中小企業への支援策として、これまで年間一五万レアルの売上げまではICMSが免除されたのを今後二四万レアルまで枠を引き上げる。さらに一二〇万レアルから二四〇万レアルの売上げに対しては一八%だったのを四・二%に引き下げる。これまでは末端消費者に限った販売に制約されていた商品があるが、これを全廃し、いかなる分野でも販売可能とする。
また、中小企業向けに一億レアルのクレジットを用意し、月利一・八九%で五〇〇〇レアルから三万レアルの小口融資に応じるプロジェクトもあり、これは州議会の承認を得ることになっている。