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下院議長に新たな疑惑=裏金800万レアル受領か=議長就任後、PTが支援求め

2005年9月22日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】国会内のレストラン営業権をめぐる贈収賄の疑いが明るみに出て、連警の取調を受けているセヴェリーノ・カヴァルカンチ下院議長は、世間を騒がしたとして議長職の辞任を表明したが、新たに政府から八〇〇万レアルの裏金を受け取ったという疑惑が出て、検察では起訴の方向で捜査を開始した。
 新事実を証言したのは旅行代理店を兼業する為替業者いわゆるドレイロと呼ばれる不法ドル売買商人の通称トニーニョ・バルセロナ被告で、労働者党(PT)不正資金疑惑の渦中人物ヴァレーリオ氏の依頼で金を用立てたと証言した。トニーニョ・バルセロナ被告はバネスタード銀行などの海外不正送金の罪で逮捕され、一審で禁固二十五年の実刑判決を受けて控訴中の身だ。
 PTのメンサロンと呼ばれる不正資金の流れを調べている議会調査委員会(CPI)は、海外送金に関わった証人としてトニーニョ・バルセロナ被告の出頭を求めていたが、同被告は係争中の裁判に不利になるとして拒否してきた。しかし、検察との間で、今回の証言は裁判で問わないとの司法取引が成立したことで、下院議長に関わる証言となった。
 証言は秘密保持のため密室で行われた。委員会メンバーによると、今年二月の下院議長選で勝利を収めた同議長に対し、政府筋が議会での支援と所属党進歩党(PP)の支持を得るために八〇〇万レアルの現金を渡したという。この金はヴァレーリオ氏の依頼で用立てした。
 同被告は現金授受に立ち会わなかったが、同業者で同じ刑務所に服役している人物から、現金はPPの下院国対委員長のジョゼ・ジャネーネ下議に手渡されたと聞いたと証言したという。
 カヴァルカンチ下院議長は国会内のレストラン営業権の延長承認の見返りに謝礼金を受け取っていたとして、収賄容疑で告発されていた。
 連警ではこれに対し、立件のための物的証拠の収集に努めてきたが、目途がついたことで起訴の方針を固めた。これに加え、今回の八〇〇万レアルの捜査が進められることになり、一見堅物で頑固一徹の下院議長の身辺が慌しくなった。