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下院議長が議員辞職=議員権はく奪回避=一週間後には被告人に=郷土は凱旋将軍迎える準備

2005年9月23日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】下院議長に就任して七カ月のカヴァウカンチ下議は二十一日、議員食堂のリベート疑惑による議員権はく奪を避けるため、下議を辞職した。下院は議長不在のため副議長のノノー下議(自由前線党=PFL)が臨時議長に就任。各党首脳部は二十二日、下院議長の後任人事を打ち合わせた。一方、ソウザ検事総長は最高裁のメンデス判事に、リベート疑惑法廷の開設と元議長の口座や通話記録の開示を要請した。元議長は不罰特権を失ったことで、告訴されると第一審で裁かれることになる。
 同議長は辞任演説で、二〇〇六年選挙で下議に復帰すると宣言した。ペルナンブッコ州民が同議長に心酔しているという。悪いのは議会に巣食うならず者どもで、同議長を葬るために狂犬を放ち、マスコミがそれに手を貸したと糾弾した。
 同議長は一週間後、下院食堂の契約更新でリベートをゆすりとった容疑で被告人となる。食堂経営者ブアニ氏がリベートに支払ったとする小切手七五〇〇レアルの写しを公開し、議長の秘書ガブリエラ・ケニア氏が銀行から引き出したことが証明されたからだ。
 同議長は全てえん罪であり、これからの法廷闘争で真実を証明するとした。議員辞職は、ブラジル政界に君臨する黒幕の圧力に屈したのだという。マスコミは情報をねつ造して世論を操作し、陥穽に誘導したと訴えた。
 報道の自由は持論である。開かれた政治と民主主義においてマスコミの役割は不可欠だが、ブラジルではマスコミが禍の使者になっていると述べた。ブラジルでは根も葉もない報道が、野放しになっている。根拠のないぶ告で罪のない人間が葬られると憂いた。
 無冠の帝王カヴァウカンチ下院議長は、ついに玉座から降ろされた。それは、もの悲しい退場であった。下院の傍聴席に押し寄せた学生デモ隊に下院本会場出口を遮られ、裏口からコソコソと出て行った。
 議員辞職により議長は議員職を失っただけでなく、最高裁においてのみ審理を受ける議員特権も失う。リベート告発で提訴されると、元議長は一被告人として連邦裁判所の第一審で裁かれる。同議長への容疑は国家公務員による横領と恐喝、汚職である。
 共犯容疑でパトリオッタ下議(ブラジル社会党=PSB)も連座するため、最高裁で審理される可能性もある。辞任の正式発表を行う前にも、議員の法的立場について弁護士から説明があった。最高裁審理は有利な面と不利な面がある。
 額面七五〇〇レアルの小切手は、六八〇〇レアルを議長の口座へ振り替えた。差額六九〇レアルは、銀行へ赴いた秘書に与えると裏面に書いてあった。この裏面のメモが、元議長の口座へ預金したことを証明し、犯罪の決め手になったという。
 議長の故郷ペルナンブッコ州ジョアン・アルフレッド市では、郷土の英雄を凱旋将軍として市民百人が迎える。同市で唯一のピザ店が、歓迎会場になる。同市の高台では、花火一万発を打ち上げるという。