2005年9月24日(土)
元ABC文化普及会会長、仲間と二十五年前から日本語級位テストを毎年実施していた小笠原勇二・日本語教師は、同地方からアグアス・サンタ・バルバラ市に移って十カ月になる。ここで市に対して自発的にボランティアの日本語教師を買って出た。市がPRと教室を提供、目論見は予想外の展開をみせている。アグアス市は、サンパウロから西に二百九十キロ、人口六千人足らずの町だ。
小笠原さんは、転居先に落ち着いたところで、親日家として知られるカルロス市長を訪ね、「中学生以上の若者に日本語学習希望者がいたら、(わたしが)ボランティアで、一週間一回教えたい」と申し出た。
市長は「それはすばらしい。州立高校の教室を使い、教材のコピーは教育課でつくらせ、生徒の募集もさせましょう」と快諾した。
わずか一週間で十一歳から五十七歳までの希望者が八十二人が、申し込みに殺到した。うち、日系人はわずか二人だった。授業は、去る十五日から始まった。同日現在、生徒数は午前二十三人、午後十九人、夜間四十二人。この三クラスで行っている。
授業は、初級会話とひらがな学習が主体。教材はNHK会話テキスト、国際交流基金会話テキスト、くもん式ひらがな。サンパウロ総領事館文化班からの写真画報を用いて、手づくり日本文化紹介も行っている。年齢差のクラス編成のため、週二回の予定で調整中だという。
日本語学習への市民の関心の高さに市長も驚いた。「文化革命をおこしてくれてありがとう。これを前例にして、英語、スペイン語、ドイツ語、さらに音楽教室も開設したい」と喜んでいる。
小笠原さんの連絡先は電話014・3765・8146。
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小笠原さんは、「星野富弘詩画展」の巡回主宰者でもある。去る八月十七日から三日間、マンドリー市で開催した。三日間で、近隣の町の高校生を含め一千二十八人が鑑賞、星野詩画の国際性が、ここでも証明された。