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広がる超安値長期月賦=1レアル10回払いなど=競合激化で大手業者も採用

2005年9月27日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】超安値による長期月賦が大手スーパーなどのセールス商法として浸透しつつあり、これから始まる年末商戦の目玉として業界を網羅していく様相を呈している。支払い額が小口なことからミニ月賦とも呼ばれているが、その昔ブラジルではバナナの叩き売り価格が超安値の代名詞だったため、バナナ月賦とも名付けられている。
 このシステムは従来、郊外の小間物店が近所の住民に便宜を計り、いわゆるツケ売りをしていたものだが、日増しに競合が熾烈化してきた業界大手が顧客抱込みに取り入れられたもの。商店はこぞってテレビやラジオで、一レアルや一・九九商店(一ドルが一・九九レアルの時点で流行した一ドルショップ、日本流では百円均一ショップ)にならった月賦販売を大々的に宣伝している。
 大手スーパーのポン・デ・アスーカルは買収して傘下に収めたセンダやコンププレベンが従来から取り入れていたミニ月賦を継続して採用し、さらにグループ全体に活用した。八月から一・九九月賦としている。同店では五〇〇レアルから三〇〇〇レアルの月収の市民を狙いとしている。買収した二社のみで月平均一千六百万人の来店者があり、この月賦販売方式で一人当り一レアル買上げがあると単純に計算しても一六〇〇万レアルの売り上げ増になると皮算用をはじいている。
 この裏にはイタウ銀行との提携による特別融資が作用している。例えばアイロンを一九・九〇レアルとして十回払いの一・九九レアルの月賦とすると、効果は抜群で、ある女性は母親と妹用と合わせて三台購入した。毎月の支払いはわずか五・九七レアルで、一日の交通費や食費、最悪は夫の飲むピンガ代を削ると(自分の費やす分はしっかりと節約しない)捻出できると大笑いする。
 いっぽうで対抗馬のウォールマートでもウニバンコ銀行と提携して一レアル月賦を始めた。同店では利益につながらないとした上で、顧客へのサービスと店内への動員には欠かせないと見ている。さらに超安値月賦の第一人者としてテレビの宣伝費国内一を誇る家具商のカーザ・バイアはブラデスコ銀行のバックアップで二十四回払い均一の一〇レアル月賦を前面に打ち出している。同店では月賦販売は売上総額の八%に相当する好成績を収めているとしている。いずれの店でも従来は不払いや支払滞納が頭痛のタネだったが、月賦金額を下げて顧客の負担を軽減することでこの問題は解消しているという。