2005年9月28日(水)
途上国がブラジル産農産物の五一%を輸入し、上顧客となった。これまでは伝統的にEUや米国が、ブラジル産農産物の大量輸入国であった。それが現在、中国やロシア、中近東諸国が大量輸入国に変わった。八九年は先進国がブラジルの農産物の八〇%を輸入したのに現在は二〇%に減った。これはブラジルの農産物輸出における新しい傾向を示している。この市場変化で今後、中国とロシアの動向が鍵を握ると予測される。中国の大豆とその加工品輸入は、途上国向け農産物の二〇%を占める。ロシアは牛肉と砂糖をブラジルから輸入し、中国に次いでいる。この現象は途上国の経済成長が顕著で、消費者の所得が急増したため。所得が増大すると植物性から動物性タンパクへ消費が移る。中国の消費者は収入が豊かになったことで、米食から牛肉や牛乳、果物へ食文化が変化した。この変化は先進国が輸入障壁を設けたのでも途上国へ回送されたものでも政府の政策でもない。
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ブラジルのエビ輸出が米国で反ダンピング法の適用を受けて七・〇五%の課徴金を課される中、EU市場でエビ輸出は命拾いをしている。EU向けエビ輸出は〇四年全体の七五・一六%から〇五年は八九・二五%へ伸びた。対米輸出は同時期二六・一二%から二一・九一%へ減少。アジア産の海老輸出は横ばい状態にある。世界のエビ需要はEUを中心に六月から活発化する。八月から十月はクリスマス用にEUの加工業者が在庫する。エビは一一・五グラムものが、五月から九月までに三四%値上げされた。全体では過去一年間に平均で一六%値上がりし、キロ当たり四・三〇ドルとなっている。一月から八月までの総輸出量は三万二四〇〇トンで、昨年同期比一三%減と低迷している。