2005年9月29日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】セーラサンパウロ市長は二十九日から、銀行の利用客の待ち時間に上限を設ける市条例を実施することを決め、関係当局に指示したことを明らかにした。市条例は銀行での応対が遅すぎ、待ち時間が不当に長すぎるという利用客の長年の不満を反映したもので、今年一月に市議会で承認され、五月に細則を付けて市長が承認していたものだが、実施が先延ばしとなっていた。他都市ではすでに実施しているところもあり、好評を博している。
同条例は平日の営業時間の窓口での待ち時間を最高十五分に規制する。ただし連休の前日あるいは翌日は二十五分とし、また州や市の公務員などの給料日は三十分と定めた(公務員は銀行窓口受け取りとなっている)。これに違反した場合、銀行に五六四レアルの罰金が科せられる。同日内に二度違反したら倍額となる。罰金額はブラジル地理統計院(IBGE)が発表する広範囲消費者物価指数(IPCA)に基づき毎年調整される。
銀行は行列にタイムカードを用意し、利用客は列に並んだ時点で時間を記録、応対した窓口で時間を記入することで待ち時間がわかる仕組みとなる。違反の告発はタイムカードを添えて区役所に書簡で届ける。
これに対して全国銀行連盟は市条例に応じる構えを見せており、不利益な事態が派生しない限り提訴はしないとの見解を指名した。ただ銀行が混むのは月初めの営業日五日間で、この時期に税金の納入が集中しているのが原因だとし、当局に支払日の分散を要請するという。また利用客にも支払いは口座からの自動引き落としをするよう指導していきたいと語っている。