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高級住宅街で地盤沈下=40棟以上が大小の被害に=サンパウロ市

2005年9月29日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十八日】サンパウロ市南部モエマ区の高級住宅街でジェキタイー、イライー、モアシー、トゥピニキンスの通りに囲まれた一区画が地盤沈下を起こし、住宅四十棟以上で壁にひびが入ったり、家全体が傾くなどの被害が発生している。
 地盤沈下は、昨年上半期に隣接する区画で二十二階建てマンション二棟の建設工事が始まってから目立つようになった。被害に遭った区画の地盤は砂れきや泥、粘土層からなる上に、地下水のたまる層が浅いところにあり、地下水くみ上げが原因で沈下を起こしたとみられている。市役所は今年になって住宅二十七軒を立ち入り禁止とした。
 同マンション建設会社は被害に遭った住宅の改装工事費を一部負担したり、住民らをホテルに住まわせるなどの対策を取ったが、地盤沈下の直接責任はないと主張。住民のうち八人は補償を求め、同会社を訴えた。
 同地区は一九一五年から土地の分譲が始まり、七〇年代に開発が急速に進んだ。被害の遭った区画以外では地盤沈下が発生していないが、道路のアスファルトがめくれたり歩道に凸凹ができるなど地盤に異変が生じているところも見られる。