若者のパワーや歌の力のすごさを、宗教団体のイベントに行く度に痛感する。先日の、生長の家青年部五十周年はもちろん、PL五十九周年しかり。根が日本的思想にありながら、多くのブラジル人に普及することに成功している▼同青年部五十周年では三万人が集まり、教団の歌を合唱しながら踊る非日系の若者達の姿が印象的だった。PLでも子どもたちがYOSAKOIソーランに汗を流す様子に、宗教というより音楽などの文化イベントに楽しんで参加している感じがした▼PLの場合、三十万信者のうち日系人はわずか五%だという。生長の家も約百万人(潜在会員含めて)の二〇%とか。最初は日本人、日系人から始まり、現在も中核はそうだ。でも、人種や文化の垣根を越えて広まった。▼先日、日本からきたばかりの高齢男性を連れてセー大聖堂を案内した。ミサ参加者が賛美歌を唱和する姿を見て「楽しそうでいいな。うちのお寺は歌なんてうたわない。坊さんがナムナムいうのを、眠いのを我慢して聞いてるだけ」と呟いていたのを思いだした。もちろん仏教は長い伝統をもち格式が高い。しかし、必ずしも当地での布教に成功しているとは限らない▼さらに日系団体における日本語、日本文化の普及にもこのようなノウハウが応用できないものかと、つくづく思う。とくに若者を巻き込むことは、どんな日系団体であれ最重要課題だ。生長の家のようにTV番組を持つのは難しいとしても、なにか手はないだろうか。 (深)
05/09/29