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コラム 樹海

 アルゼンチン日系社会の社団法人「アルゼンチン日系センター」(CNA)は、今年創立二十周年。毎月二回、メールマガジン「CNAニュース」日本語版を発行している。発行の趣意は「ブエノスアイレス発のホットなニュースをお届けします」。同国日系社会の高度な日本語の理解人口や、パソコン操作者の数を推定して見るとき、このメルマガは、明らかに日本の日本人読者を意識したものだと思われる▼去る二十日発信分は(1)若者の起業や団体設立などの夢を専門家が支援して実現をはかるプロジェクト、(2)敬老行事、(3)タンゴと邂逅した楽器「バンドネオン」、(4)CNAのイベント、アルゼンチン文化・日本文化講座―の四項目だった▼「敬老」についていえば、アルゼンチンには、日常家族がそれぞれ祖父母に感謝していても、日本の「敬老の日」に当たる記念日はない。日系社会は、沖縄の伝統行事であるトーカチ祝いなどを通じ、敬老行事を養国に根付かせた。家族の枠を越えてすべての高齢者を先輩として敬い、感謝する気持ちは、今や日系社会の福祉事業の原動力なりそうだ、という▼センターが持っている日本文化関係クルソは、ブラジルの日系団体のそれと変わらない。ただアルゼンチン文化としてスペイン語とタンゴの講座を開設しているのは、肩から力を抜いて新味だ▼メルマガの日本語は達者である。センターの構成メンバーが日系人という意識がある限り、発信は、今後とも続けられていくだろう。(神)

05/09/30