2005年10月1日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】ブラジル地理統計院の発表によると、今年上半期の設備投資総額は国内総生産(GDP)の一九・九%の比率となり、同期別で二〇〇一年以来の高水準となった。半期別では昨年下半期の二〇・二%にわずかながら及ばなかったものの、金利高による経済低迷や政局不安定を乗り越えての高水準に達したと関係者は見ている。
同時に発表された今年上半期のGDPが九一八六億レアルとなったことから、設備投資額は一八三一億レアルとなった。投資ブームは昨年末と今年初めの四半期に連続で冷え込みを見せたが、第2・四半期で一挙に回復した。この四半期で対GDP比一九・九%を記録し、昨年同期の一九%を上回り、一九九七年(二〇・四%)に次ぐ高水準に達した。
これを裏付けるように、国連貿易開発会議(UNCTAD)が二十九日に公表した二〇〇四年度外国投資対象国別世界ランキングでブラジルは前年の十五位から十位へとランクアップした。ブラジルへの外国投資額は二〇〇三年の一〇一億四四〇〇万ドルから七九%増加し、一八一億六〇〇〇万ドルとなった。全世界の投資は過去三年続いた落ち込みから、昨年は二・五%増と回復し、これがブラジルをも後押しした。
世界経済フォーラムが二十八日発表した国際競争力ランキングでブラジルは昨年の五十七位から六十五位にランキングを下げ、今回のUNCTAD統計と逆行した結果となったが、関係筋は、フォーラムはあらゆる要素を分析の対象にし過ぎたとの見方をしている。現にランキングの位置づけにブラジルと中国から不満が表明されている。
UNCTADによると、今年の投資は先進国向けが一四%増と低迷したのに反し、発展途上国は四〇%増えており、今後この傾向が続くという。ブラジルは外国投資誘致に注力しており、外国資本へ市場開放を積極的に行っていることが評価されている。このため途上国内では中国、香港に次ぐ三位となっている。
世界ランキングのベストテンは順に(カッコ内は前年度ランキング)、アメリカ(二位)、英国(九位)、中国(三位)、ルクセンブルク(一位)、オーストラリア(十九位)、ベルギー(五位)、香港(十三位)、フランス(四位)、スペイン(六位)、ブラジル(十五位)。
いっぽうで途上国のランキングは、中国(一位)、香港(二位)、ブラジル(四位)、メキシコ(三位)、シンガポール(五位)、ロシア(六位)、韓国(十位)、チリ(七位)、インド(八位)、ルーマニア(前年二十位以内に入らず)となった。