2005年10月5日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】ルーラ大統領は三日、サンパウロ市で企業家、ファベーラ(スラム街)住民、組合運動家らを前に演説を行い、政治危機や経済政策、二〇〇六年大統領選挙などについて自身の考えを表明した。
サンパウロ州工連(Fiesp)で開催された第六回建設業セミナーの開会式で大統領は、百二十日間に及ぶ、畳み掛けるような告発攻勢にもかかわらず、ブラジルが持続的成長段階に入ったことに触れつつ、政府の経済政策を認めるよう企業家らの協力を求めた。
また、政治危機に立ち向かっている政府を援護するため、「下院議員たちは、告発が真実かどうか調査する中、非常な困難に向き合っているに違いない」と述べ、現在ブラジルは「かつてあったように、後で裏付けが取れない告発に満ち、言葉が事実に取って代わる」状況にあるとした。
さらに、政府の金利政策を批判し、さらなる投資を求めていた企業家らに対し、「大統領選挙運動中に中銀の独立性を最も望んでいたのに、今は私が金利政策を決定するよう望んでいる」と批判した。
その後、メルカダンテ上議やマルタ前サンパウロ市長らとともに、サンパウロ市南部エリオーポリス区にある同市最大のファベーラを訪れた大統領は、過去に自身も同ファベーラ付近に住んでいたことを振り返りながら、「自分も負けなかった人間だから言うが、誰も逆境に負けてはならない。誰も頭を下げてはならない。下げれば敗北者となる」と述べ、「何も持たぬ人のために我々は行動しなければならない」ことを住民の前で誓った。
最後の訪問地、サンベルナルド・ド・カンポ市の金属組合ホールで大統領は、来年の大統領選への出馬について「求めるものではなく、自然と育むもの」とその意思を否定した。