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輸入関税大幅引き下げへ=財務省=画期的市場開放に決断

2005年10月5日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙七日】財務省は六日、コーロル元大統領の市場開放よりも画期的な市場開放に踏み切る意向を明らかにした。農産物補助金交渉で難航していた世界貿易機関(WTO)のドーハラウンド最終決着がつく見込みとなった。
 財務省の試案は、現行の輸入関税最高率三五%を一〇・五%へ引き下げる考えだ。市場開放が実施されると、産業構造の大きな変革を余儀なくされる。最も打撃を受けるのは自動車、続いて電気・電子製品、工作機械、農機具、化学薬品、繊維製品、皮革製品、鉄鋼製品の順と見られる。
 これまで自動車など過保護の下にあった産業が、国際市場の寒風にさらされることになる。全国工業連合(CNI)やサンパウロ州工業連盟(FIESP)は、同一の土俵で互角に取り組むことに不満を表明しているが、もはや時代のすう勢といえそうだ。ブラジルは工業製品で肉を切られるが、先進国は農産物で骨を切られることになりそうだ。
 先進国は農業分野で、国家戦略の見直しを余儀なくされる。農産物聖域論は通用しなくなる。食糧安保は内堀を埋めることになるらしい。これまで数々の規制で輸入障壁を設けてきた国々は、事情が一変することになりそうだ。