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コラム 樹海

 日伯文化連盟の日本語国際シンポジウムを取材して、非日系人への普及が重要なことを今さらながらに感じた。というのも、今回発表したアメリカの日本語教師協会連合の事務局長スーザン・シュミットさんは非日系アメリカ人。同様に、全伯ドイツ語教師会会長も非ドイツ系ブラジル人のリリアン・ベルロッファさんだったからだ。ドイツ語だから同子孫が教えているとは限らないし、日本語だから日系とは限らない▼ちょっと考えれば当たりまえのことだが、身の回りを見渡す限りそうでもない。日語教育の全国組織で、非日系人が重要な役割をになうことの意味を考えさせられた。現在、ブラジルの日語学習者は二万人弱。非日系が増えてきており、その対応や工夫を教えあうのが今回の目的だった▼米国の日語学習者は約十四万人といわれ、うち九割が非日系だ。一方、ブラジル内でドイツ語学習者は約五十万人といわれ、同教師会には九百三十二人が加入しているが、ドイツ系子孫の教師は三割しかいないというので驚いた▼シュミットさん自身、二十五歳になってから日語をはじめた。日本文化に興味をもち、ワシントンの日本センターで週一回の授業に半年通ってから訪日。結局は二十三年間も東京に住んだ。ベルロッフォさんも純粋にドイツ語や同文化に興味があってUSPで専攻し、二年間留学した▼日語学習者が将来、十万、二十万人となったとき、このような会場に集まる教師の顔ぶれはどうなっているかと、ふと思った。(深)

 05/10/05