2005年10月6日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日、五日】全長七二〇キロの運河を建設、総工費四五億レアルを見積もる政府最大の公共工事、サンフランシスコ川の疎水工事に反対して、バイーア州バーラ市のカッピオ司教(59)が先月二十六日から断食を続けている。
「サンフランシスコ川と流域住民の命のために」死ぬ意思を登記所に登録した司教は、川の有効利用と小規模水力発電所工事の優先を理由に、運河の水の取水地点であるペルナンブッコ州カブロボー市で断食を実施。四日に同地で開催されたミサには約二千五百人の賛同者が参加した。
ルーラ大統領は四日、断食をやめるよう同司教と交渉するため、工事の開始を延期することを決めた。同司教が疎水工事自体でなく、ルーラ政権の工事計画に反対を表明していることから、説得は可能と期待している。
同工事については、雇用創出、国家統合、同地域が農業の中心地へ転換することなどを理由に賛成する人がいる一方、森林伐採による環境破壊、水質汚濁、開発の恩恵が貧しい人に及ばないとの反対もあり、専門家の間でも意見が分かれている。