ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 開発相も為替水準を懸念=来年以降に現在の影響出る

開発相も為替水準を懸念=来年以降に現在の影響出る

2005年10月8日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】フルラン産業開発相は八日、ドル安が続くにもかかわらず輸出が記録を更新するのは短期的な現象で、現在の為替水準の影響が来年以降に現れると述べ、ロドリゲス農務相に続いて為替政策に対する懸念を示した。
 「現在の状況をみると、財務相は正しい。しかし、我々は未来に眼を向けなければならない。現在は一昨年と昨年に植えたものを収穫しており、来年と再来年には今植えたものを収穫するのだ。今がよければ明日もよいというわけではない」と現在のドル安状況に警鐘を鳴らした。
 開発相は、外貨準備を増やすためにドル買いを行った中銀と国庫庁独自の政策を認めながらも、収益が上がらないことを理由に自動車、白物家電製品、靴の製造業者が来年の投資計画を縮小の方向で見直していると報告、ブラジル製品の国際競争力低下のリスクを指摘した。
 一方、パロッシ財務相は同日、経済防衛行政審議会(Cade)の会合の後、経常収支の点から見ても経済成長に貢献し続けているとして、政府は九九年以降始まった変動為替相場制度を変更したり、為替相場に介入することはないと述べた。そして経常収支は国内総生産(GDP)の五%の赤字から二%の黒字に転換したことを強調し、レアル高は家族の所得増にもつながったと付け加えた。
 メイレレス中銀総裁も現在の為替政策を擁護し、輸出は今年上半期に前年同期比で七〇億ドル増加し、それは価格(一〇・七%)より量(一七・五%)の増加で説明できると、ブラジル経済の競争力強化を評価した。