2005年10月14日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】全国の商店で無利子長期月賦を唄い文句にしているセールス商品の三分の一が「看板に偽りあり」で、利子や金融経費をしっかり値段に盛り込んでいることが調査で明らかになった。
小売店やその商品筋を専門に調査するブラジル・ショッピングが九月一日から二十五日まで、ロンドーニア、ロライマ、アクレ、アマパ、トカンチンスの五州を除く全国百八十五店の小売店で、この種セールスを宣伝している五十種類の商品の実態を調査した。これらは家電に集中していた。
無利子月賦は一括払いの価格を均等に分割することを言うが、ある商店の一括払いの定価を、別の商店では六〇%値上げして十回払いとした例があった。分割払いにより消費者の心理を利用したものだが、利子および金融経費に加え不当な利益を上乗せしたもので、悪質な割引セールに類似していると指摘する。
悪質な割引セールは、例えばこれまで四〇レアルで売っていた商品を一〇〇レアルに値上げして、すぐ五〇%割引セールに切り換える。消費者は五〇%引に目を惹かれるが、従来の四〇レアルから五〇レアルになったことは気がつかず、一〇レアル高いものを買わされる破目になる。
調査での例を挙げると、ある小売店でパナソニック二十九インチ型テレビを一括払い八二九レアルで売っていたのに対し、別の店では「無利子月賦セール」で一二九・九〇レアルの十回払い、つまり定価一二九九レアルだった。この差額四七〇レアルが利子などだ。また冷蔵庫エレトロルックスは一括払いが七九九レアルに対し、月賦総額は一一八九レアル、十四インチ型テレビは、三五九レアルが四五九レアルとなり、DVDマグナボックスは二六九レアルが三四九レアルへと跳ね上がった。いずれも十回払い。同調査機関では虚偽の誇大宣伝として小売店の名を公表し、告発する構えを見せている。
このような商店の唄い文句に踊らされないように、消費者は根気よく複数の小売店の価格をチェックすることが肝要だという。とくにこれからクリスマス商戦が始まるため、売る側はあの手この手を仕掛けてくるので、価格を見極める必要がある。ある女性はDVDを一括払い二四五レアルで購入した。別の商店では二九九レアル無利子十二回払いで宣伝していたが、価格差が二二%あることに気がついたという。彼女は独自の調査の結果、長期月賦での無利子あるいは価格の据え置きは有り得ないという結論に行き着いた。