2005年10月14日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】サンパウロ市内の小売店街で通称サコレイロと呼ばれる運び屋あるいは担ぎ屋(主にパラグアイの免税店で仕入れた品物をブラジルに運んでくるもので、当然密輸取締りの対象になる)は、一昔前は運んできた品物を汗をかきながら小売店を一軒一軒訪れて売り込みを図っていたが、現在は様変わりしてVIP扱いの待遇を受けている。
グループでチャーターしたバスや業者が仕立てたバスが到着するや小売店の車が待機していて荷物を受け取る。さもなくばホテルに出向き受け取る。彼らはもはやサコレイロではなく「転売商人」と呼ばれ、自らもそう名乗っている。小売店と専属契約を結び、注文の品物を運んでくるのが増えている。長旅から戻ると店が用意した一泊七〇レアルの、界隈では最高のホテルに投宿する。店にとっては品物を供給する大事な取引相手だ。
年末商戦を控えたこの時期、安くて高品質な品物、特に「転売商人」が運んでくる外国製品を豊富に取り揃えているヴィンテ・シンコ・デ・マルソ街は、問屋街と化して全国から買い物客が殺到する。一日に五十万人というリベイロン・プレット市の総人口に相当する人出で溢れる。
連日百二十台の貸し切りバスが到着するため、ミニバスターミルにはシャワー付トイレ(使用料二・五〇レアル)があり、テレビ付の休憩ルームもある。レストランや軽食店はないが、それを目あてに街頭商人が通りに食品の出店を並べている。ブラス区では一日平均一九五〇万レアルの売り上げとなる。
しかし運び屋は違法であり、街頭での検問に一番神経を使う。バスの運転手は警察の動きを察知することが要求され、常に警察から逃れるための裏道を頭に入れている。それでも連邦道路警官は今年上半期だけで十九台のバスと十八万八千五百十六品目を押収した。このほか街道ではバスを止めて辻強盗が多発している。金目の品物を大量に積んだバスは格好の獲物となっている。