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大統領にも贈呈=ブラジル事典発売中

2005年10月14日(金)

ブラジル日本商工会議所
(田中信会頭)編纂による「現代ブラジル事典」(新評論社)が発売され二カ月が過ぎた。ブラジルに関する総合事典としては初めてとなる同事典。七月三十一日の発売以来、日本で好調な売れ行きを見せている。国内向けの七百冊がこのほど到着。会議所会員向けの予約販売が終わり、サンパウロ市内の日系書店で一般向けの販売が始まった。
 二段組み五百ページ、全部で十章から成り、ブラジルの歴史や風土、政治、経済、社会、文化、日伯関係など、様々な分野にわたって写真を交え解説。古くなりがちな統計資料については、出典やウェブサイトのアドレスが併記されていので、その都度、最新情報を確かめることができる。
 田中会頭は「日本でブラジルに関する正しい情報が少ない。全体を網羅したものが必要だと考えた」と意義を強調する。
 編纂にあたっては、日伯のブラジル研究者・専門家百五十五人(ブラジル側百人、日本側五十五人)がボランティアで執筆した。
 産業分野については、会議所内の十一の業種別部会が分野ごとに執筆。拓殖大学の小池洋一教授が編集を担当したほか、日本の著名なブラジル研究者が監修にあたっている。
 出版に先立って今年五月、ルーラ大統領訪日の際に田中会頭から大統領に贈られた。完成が遅れたため、手製で三冊が製本され、そのうち一冊を大統領に贈呈したという。
 会議所ではこれまでにも約十年おきに事典を編纂してきたが、経済中心の内容だった。五冊目の今回で初めて全体を網羅した。一国に関する総合事典が日本で出版されるのは初めてで、海外の日系商工会議所主導による出版も初めてのことだという。
 同事典はサンパウロの日系書店で販売中。日本では定価六千円(税抜)。問い合わせは各店まで。