2005年10月15日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】サンパウロ市西部ラッパ区ドーゼ・デ・オウトゥーブロ通りの路上で十三日午前、露天商(カメロー)五百人がデモ集会を開いた後、警戒のために出動した市民警備員らと武力衝突した。
幸いケガ人は出なかったものの、十一人のカメローが公務執行妨害で逮捕された。その後午前十一時ごろ、このうちの七十人余りが同区役所の前に集まり、ビルに向けて石片や棒切れなどを投げつけて窓ガラスや扉を破壊するなどの狼藉を働いた。彼らは警官により制止されたが、当局は防犯カメラに写った実行犯を公共物破損で逮捕するべく追及している。
同区のカメロー集団はサンパウロ市内最大のブラス区に次ぐもので、正式に営業が許可されている二百四十三軒に対して千八百軒の不法営業店が集約しており、これまでに幾度となく取締りの行政監督や警官との間でトラブルが絶えなかった。
同通りは中央市場も含む同区の商店街と言われる目抜き通りで、これに隣接する九街路でもカメローは営業している。営業している店のうち、五百二十六店は市役所の営業許可証を所持しているが、四〇〇レアルの営業税を支払っていたのはわずか八十四店で、支払いが完了するまでは不法営業とみなされ取締りの対象となっていた。
区役所当局はこれまで、商店の保護、交通渋滞の緩和のために取締ってきたが、今回同通りとその周辺の美化、補修、歩道を改修するため、カメローの場所の移動を決定した。しかし不法営業店には場所を与えないとしたため、これらのカメローが再三集会やデモを行い抗議してきた。今回の衝突はその流れで発生した。
カメローらは言い分が通るまで抗議を続けることを表明している。これに対し当局は警官百二十人を出動させると対抗している。サンパウロ市当局はラッパ区のほかに、ブラス、ペーニャ、サンミゲル・パウリスタ、サント・アマーロ、サンタナ、都心の各区でもカメローの取締りを強化する意向を示している。