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USP構内で学生殺される=同僚が包丁で刺殺=うつ病患う容疑者、動機を黙秘

2005年10月18日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】学生の憧れ、国内名門校とされているサンパウロ総合大学(USP)内で、級友同士のいざこざが原因で学生が料理用の包丁で刺し殺されるという事件が発生し、学生らに衝撃が走った。
 十四日午前九時二十分、大学内ラジオ放送の編集部で実習していた同大学報道学部二年のラファエルさん(21)が、同じクラスのファビオ容疑者に刺された。被害者は同大学の病院に担ぎ込まれたが、心臓発作を併発して死亡した。
 容疑者は凶器の包丁を現場に放り出して逃走したが、目撃者が大声で叫んで事件を知らせたため、大学の出口で学生ら数人に取り押さえられた。警察は現行犯で逮捕したが、容疑者は黙秘権を行使しているため、殺人の動機は明らかにされていない。
 二人は同級生で、学生寮でも他の二人を加え四人同室の間柄だったが、日頃からケンカが絶えなかったという。しかし同室の学生は根の深いケンカではなく、まさか惨事に発展するとは思いもかけなかったと証言している。
 証言によると容疑者はうつ症のため薬を飲んでおり、急に激しく感情の高ぶりを見せることがあったという。また自己主張が強く、しっと心が旺盛だったことから被害者を独占(セックスとは無関係に)する行為がしばしばあったとのこと。被害者は病気を知って何かと手助けをしてきた温厚な性格だった。しかし凶行のあった前日、同級生にもしかしたら容疑者に殺されるかもしれないと漏らしていたとのことで、警察では計画的犯行とみて追及している。
 目撃者の証言によると二人は犯行時、物静かに会話しており、容疑者が突然室外に走り出したのを見て犯行に気がついたという。
 大学では容疑者を検察の起訴事項とは関係なく退学処分とする旨決定した。