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伯、亜、ベネで核開発推進へ=「平和利用目的」と伯政府強調

2005年10月18日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日、十七日】ベネズエラのチャベス大統領は十五日、ブラジル、ベネズエラ、アルゼンチンの三カ国が核開発協力協定の締結に向けて交渉を進めることを発表した。ブラジル政府も発表の数時間後、ガルシア国際問題担当補佐官を通じて同交渉の推進を確認した。
 「三カ国による核の共同開発計画は、透明性が高く、平和利用が目的で、いかなる軍事目的に転用されることもなく、何ら問題はない」と同補佐官は述べた。協定の内容については、まだ何も固まっていないことを明らかにした。
 今回の発表は、ブラジル政府の核開発についての立場を根本から変えることを意味する。昨年五月にチャベス大統領が三カ国の核開発協力について初めて表明したとき、アモリン外相は、アルゼンチン以外の中南米諸国と協力関係を拡大する意思は一切ないと宣言、科学技術省も同様に協力の可能性を否定していた。
 ブラジル政府は九〇年代にアルゼンチンと核開発協力協定を結んでいた。それは南アメリカにおける軍拡競争に終止符を打ち、またメルコスル(南米共同市場)の母体ともなった。
 元科学技術相のゴールデンベルグ・サンパウロ州環境局長は十五日、ベネズエラを含む核開発協力協定には何のメリットもないとエスタード紙のインタビューに答え、世界各国からブラジルは核兵器を開発するのではと疑いの目を向けられること、ベネズエラは核開発計画を何も持たず、交換できる技術がないことを理由に挙げた。国際原子力機関(IAEA)の査察を拒否しているイランと核開発協定を結ぶようベネズエラがブラジルにすでに提案したことも問題だとした。
 ゴンサウヴェス国家原子力エネルギー委員会(CNEN)も三カ国の協定を結ぶ前に、ブラジルは自国の核開発計画の指針を決めるべきとし、今回の協力協定に反対の立場を示した。