2005年10月18日(火)
ヴァリグ航空の日本向け直行便が来年一月十四日までで運休することが分かった。先週開かれたブラジル日本商工会議所昼食会で、同社のマルセロ・ウィリアム・ボッチーニ営業担当取締役副社長が明らかにした。運休後はロスやヨーロッパの各都市からスターアライアンス加盟航空会社の便に乗り継ぐ形で日本向けの運航を維持する方針。全日空(ANA)とのコードシェア(共同運航)便は現状のまま運航し、ヴァリグの東京事務所は今後も継続される見通しだ。
六月に会社更生法を申請し、経営再建を進めるヴァリグ航空。日本向け直行便の終了は、同社の経営危機にともない、以前から取りざたされてきた。
三十八年にわたって日伯両国を空でつないできた。かつては日本からの企業進出や、近年ではブラジルからのデカセギブームによりにぎわいを見せていた。
しかし、二〇〇一年九月十一日の米国同時多発テロ以降、アメリカがトランジット目的だけの乗客にもビザ取得を義務付けたことで顧客がヨーロッパ経由の便に流れ、乗客数が減少。〇四年には名古屋便が運休となり、ロス経由のサンパウロ―東京便のみとなっていた。
昼食会であいさつに立ったボッチーニ副社長は、同社が現在進めている再建計画を説明。欧州経由で日本直行便の継続を目指したが実現しなかったことなどを語った。
直行便終了後の米国経由便は、ロスアンゼルスで全日空便に乗り換え、東京に向かう形に変わる。ロスでの待ち合わせは三時間程度だという。「変化はあまりありません」(同副社長)。なお、全日空(ANA)とのコードシェア(共同運航)便は現状のまま継続される見通しだ。
また、スターアライアンス加盟航空会社への乗り換えにより、ロンドン、パリ、フランクフルトなど欧州都市を経由して日本に向かう路線の拡大を図るとしている。
このほかに、東京事務所が今後も存続する見通しであることも説明された。
ボッチーニ副社長は七十八年の歴史の中で三十八年にわたって日本直行便が果たしてきた役割を強調、「飛び方が若干変わるだけです。ヴァリグの便は残ります」と語った。