基本金利年19%へ引き下げ=COPOM=2カ月連続で=商工業界は厳しい態度崩さず=大統領さらなる引き下げ検討
2005年10月21日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】十九日に開かれた通貨政策委員会(COPOM)の決定を受けて中銀は同日、基本金利(SELIC)の年率を一九%に引き下げた。先月の〇・二五ポイントに続く〇・五ポイントの引き下げとなった。この決定に対しルーラ大統領は、従来からの自説である金利引き下げをさらに進めるため、政府の専門家を来週にも召集してさらなる引き下げの余地を検討することを明らかにした。今回の引き下げは当然の措置として金融界では受け止められているが、商工業界では引き下げ幅が実情に合わず小さいと中銀への不満の声が高い。
ルーラ大統領は二カ月連続の金利引き下げを歓迎したが、それでも基本金利と合わせ実質金利(基本金利からインフレ率を差し引いたもの)が共に世界最高率という不名誉となっていることに不満を表明し、経済および金融の専門スタッフを召集して金利引き下げを検討することを明らかにした。
昨年九月から始まった金利の連続引き上げに対し大統領は苦言を呈してきたが、インフレとのジレンマで、これといった得策がなかった。そのため強固なまでにインフレ抑制を主張し高金利に固執している中銀に押し切られた形となっていたが、ここにきて重い腰を上げて金利見直しに真正面から立ち向かうことになった。この中には公共支出の削減も含まれる。
金融界も同様で、COPOMの毎月の決定に不満を唱えてきた。消費者物価指数は一部でデフレとなったことから八月以降基本金利の引き下げが始まり、年内には一八%に落ち着くと予想していたが、期待は裏切られた。
それでも年内あるいは年頭までに〇・五ポイントの引き下げが実施されると予測している。今回の引き下げでブラデスコ銀行が一早く、同行の金利を引き下げ、SELICに追随することを表明した。
今回の引き下げで消費者に与えるインパクトは平均で、金融機関の個人融資が月一一・七四%から一一・七〇%へ、クレジットカードが一〇・三〇%から一〇・二六%へ、シェッケ・エスペシアルが八・二四%から八・二〇%へ、商店の販売金利が六・一二%から六・〇八%へ、銀行の個人融資が五・七一%から五・六七%へ、銀行CPCが三・五三%から三・四九%へと引き下げられる。また法人では手形割引が三・八一%から三・七七%へ、小切手割引が四・〇一%から三・九七%へと下がる。
楽観的に見る向きは、今回の引き下げではずみがつき、需要が伸びて経済成長気運が高まることで、工業界の設備投資が増えて失業も減少すると期待している。このニュースを知った上院では与野党こぞって拍手が湧き上がって決定を歓迎した。スプリシ上議(労働者党=PT)はこれで失業が減るとして政府はさらなる引き下げを行うべきだと語った。
これに対し、商工業界は厳しい態度を表明している。サンパウロ州工業連盟のスカフ会長は、COPOMならびに中銀は頑強な姿勢を崩さずに工業部門の成長を阻む壁となっているとし、全国工業連盟のフェレイラ会長は、ブラジルは高金利の世界チャンピオンで最悪だとした上で、この先十二カ月間のインフレが四・七%と想定して、金利は一四%位になるのが妥当だと具体的数字を示して批判した。商業界も同様の意見で、今年の年末商戦は中銀に阻まれたと非難している。