2005年10月27日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】サンパウロ州政府は二十五日、口蹄疫に感染した疑いのある家畜を州内で展示会や競売に出品することを二十六日以降無期限に禁止し、現在実施されているそうしたイベントについては、農牧防衛局(CDA)が監視すると発表した。
またCDAは家畜の検査のため、十月一日以降パラナ州から千六百六十頭(牛八百八頭、豚七百九十三、羊三九、山羊二十匹)の家畜を購入した二十四市の農場三十一カ所の家畜の移動を禁止した。
さらに州政府は、十一月一日に開始予定だった、州内の牛に対する口蹄疫の第二回ワクチン接種を繰上げ、二十六日から実施することを決めた。接種は十一月三十日まで続く見通し。牛肉輸出の七〇%を占めるサンパウロ州では過去十年間に口蹄疫は一度も発生しておらず、同州農務局によると、二十五日午後時点で口蹄疫の症状をみせた牛は一頭もないという。
一方、ミナス・ジェライス州農務局も今月三十日から十一月二十日まで同州内での家畜の展示会や競売などのイベントを禁止した。パラナ州農務局は、感染の疑いのある牛十九頭の検査結果は二十七日までに出る予定で、感染の可能性は低いと発表した。牛肉や派生品の牛乳などの出荷禁止が続く中、特に牛乳の被害が増加しており、北部アラポチ市の生産者らは貯蔵し切れなくなった牛乳の廃棄を開始、二十五日だけで約八万リットルの牛乳が処分された。
ロドリゲス農務相は二十五日、サンパウロ州に口蹄疫が拡大するリスクはゼロ、また、感染した家畜を保有する生産者に向けた予算行使のため、暫定令を発令すると述べた。パロッシ財務相は同日、口蹄疫などの感染症対策に農務省が今年始めに要求した、九〇〇〇万レアルの予算は全額同省に回したと述べ、農務相とは異なる見解を示した。フルラン産業開発相も同日、衛生対策は政府の最優先事項であり、四十カ国以上が取った輸入禁止措置は短期的には貿易収支に影響を及ぼさないと述べた。