2005年10月27日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十六日】中流層のサンパウロ市民らが、路上警備員の代わりに軍警を雇い、住宅地区の警備をさせている。軍警らは夜間にパトロールを行い、強盗に遭う可能性が高い、住民らが家に出入りする時には住民の通報を受ける。
軍警は非番中に仕事を引き受けるが、通常勤務時間内でも担当地区に特別の注意を向けるという。フォーリャ紙の調査で、こうした軍警の警備はサウーデ、ヴィラ・グアラニ、シダーデ・ヴァルガス、ヴィラ・パルケ・ジャバクアラといった同市南部各区や西部のモルンビー区などで実施されていることが確認された。
警備費用は一軒当たり五〇から一五〇レアルで、警備会社の四〇〇レアルよりはるかに安い。しかも路上警備員は法律で銃の携帯を禁じられているため、警官の方が警備効果が高い。
非番中の軍警の副業は違法行為で一切禁止されており、違反者は警察内に拘束され、違反を繰り返した場合は懲戒免職にもなる。一般的に軍警は十二時間の勤務と三十六時間の非番を繰り返す。
住民らが軍警に警備を依頼する背景には治安の悪化がある。ある地区の住民代表は止まることのない強盗、自動車の盗難、電撃誘拐を訴える。別の地区では、サンパウロ州の裁判官が今年だけで五回も強盗に襲われ、機関銃を頭に突きつけたり、家族に暴力を振るったりしたこともあったという。