2005年10月28日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】少年少女の家出は家庭内の不和による不当な扱いが主な原因となっている。サンパウロ総合大学(USP)の医学部グループが家出未成年の更生を目的に実施した調査で明らかにした。
調査は昨年九月以降家出した百八十四家族を対象としたもので、それによると十八歳までの家出少年少女の四六%は複数回の再犯歴があった。中には二十三回の家出歴もあった。
家出の原因としては、家庭内での不当な扱いが三五%と最も多く、以下順に、家族のアルコール中毒二四%、家庭内暴力二一%、家族の麻薬中毒一五%、性的虐待九%だった。また、家出歴のある百七十家族と、ない二百家族を比較したところ、家出歴のある家族は押しなべて家庭内に問題があって不和となっており、また両親の離婚が目立った。子供らも補導歴があったり、麻薬に染まったりしていた。
警察当局によると、十八歳未満の青少年の家出捜索願いは今年六〇〇一件を数え、このうち八百八十人が発見されて家に戻ったという。家に帰っても捜索願いを取り下げない家族もいることから、戻った実数はさらに多いとみられている。
家出の原因は前出の調査結果通りで、家出人は家にいるより路上生活のほうが快適だと一様に述べているとのこと。同大学では家出した両親のDNA検査をし、データバンクに収録して家出人発見に役立てたいとの意向を示している。警察当局も法務鑑定所で保管してある身許不明の死体のDNA鑑定を行い、同大学のデータと照合することを決定した。