2005年10月29日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】下院倫理審議会は二十七日午後、賛成十三反対一でジルセウ下議の議員権はく奪を勧告した報告書を承認した。しかし、その四時間後にはグラウ連邦最高裁判事がジルセウ下議の審議停止要請を認め、報告書は新たに作成されるべきであり、同審議会の承認を無効とした。
同判事は、銀行口座など議員の機密開示により郵便局CPI(議会調査委員会)が得た情報を報告書に盛り込むことを禁じた二十五日の最高裁決定が完全に遵守されなかったと判断した。報告書作成者のデウガード下議(ブラジル社会党=PSB)は同CPIの情報を報告書から削除したが、新しい報告書を審議会で読み上げなかった。
最高裁の判断に驚きつつも、イザール審議会長(ブラジル労働党=PTB)は三十一日にも再び表決を実施することに決めた。今回の最高裁の判断は司法の立法への介入と不満をもらし、次回の審議会でも報告書を読み上げるだけで新たに作成はしないと前置きした。
ルーラ大統領が指名し、ジルセウ下議の友人でもあるグラウ判事が、同下議に有利な判断を下したのはこれが三度目。倫理審議会が報告書を作り直さなければ、はく奪審議自体が無効となる可能性もあると同判事は警告している。