2005年10月29日(土)
ピアウイ州セーラ・ダ・カピバラ国立公園内のユネスコ世界遺産で、約一万二千年前に描かれたとされる南米最古の岩壁画を墨絵風に描こうと先日、左藤嘉一さんが取材のため同地を訪ねた。
左藤さんは大阪とサンパウロの往復生活を送る。FDP記録映画製作所のカメラマンだ。今回は写真と映像で記録し、これから写真をもとに墨絵に挑戦するという。
「壁画は四色の少ない色で描かれているし線画なので墨絵と通じるところがあります。日本に紹介できたら」と話す。
当時の人間の生活文化が刻まれている壁画。食事や踊り、けんか、出産の場面も見当たる。また、ヒョウやタマンヅア、タツーといった動物の姿も描かれ、黒、白、黄、灰色の鉱物性染料の使用が確認できる。
「太古の気、熱帯の太陽エネルギーの下で描かれた先史人類の絵画」に魅了されたという左藤さん。日本での写真展や墨絵の発表に向けて制作に意欲を燃やしている。