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大統領、野党への逆襲を指示=キューバ資金疑惑に証拠なし

2005年11月2日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】二〇〇二年大統領選挙運動の最中にキューバ政府から一四〇万あるいは三〇〇万ドルの選挙資金を受け取った疑惑が持ち上がる中、ルーラ大統領は三十一日夜に会合を開き、この件について野党(ブラジル社会民主党=PSDB、自由前線党=PFL)が政府攻撃の手を緩めない場合は、口を閉ざさず、野党に対し過去に行われた告発を蒸し返して逆襲するよう労働者党(PT)党員に訴えた。
 PT下院リーダーのシナグリア下議は同日夜、キューバ資金の徹底調査を求める声が下議の間で高まる中、政府が調査を開始する前に告発が真実であるという証拠が必要だと述べた。証拠がなければ、どの政権もいわゆる「告発の波」の犠牲になるとした。
 「なぜPSDBは検察庁と連邦警察を使ってカイマン・ファイルを調査しないのか?」と同下議は疑問を投げかけた。カイマン・ファイルは九八年にカルドーゾ大統領が再選を目指し選挙運動を実施していた時に登場した書類の名前で、そこでは当時のモッタ通信相とセーラ保健相、コーバスサンパウロ州知事がカイマン島に口座を持っていたと牧師のファビオ氏が告発していた。
 ベルゾイーニPT総裁も、ビンゴCPI(議会調査委員会)にパロッシ財務相が召喚されればCPIの調査は焦点を失うことになると述べて野党の攻撃を批判。また同総裁は週刊誌ヴェージャを告訴すると述べた。
 一方、PSDBとPFLは同日党首会談を行い、先週とは打って変わってキューバ資金の告発については慎重に対応するよう方針を転換、大統領弾劾を要求する前に今回の疑惑の徹底調査を行うよう求めていくことを確認し合った。