2005年11月4日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】二日はブラジルのお盆で休日となり、故人への供養に墓参りをする人らでサンパウロ市各所の墓地は賑わった。当局によると、人出は二百万人で、ピーク時には墓地の入口数キロ手前から渋滞が続き、混乱をきたした。このためゆかりある墓を数カ所訪れた人には一日がかりとなった。
例年この休日になると墓地の駐車場に入りきらないため路上駐車を余儀なくされる乗用車を狙う、いわゆる通称フラネリーニャが出現するため、市当局は百人の警官を動員して取締りを実施した。
フラネリーニャは織布の意で、織布で車を拭いて駄貨を貰っていたのが高じて、路上駐車の番をすると称して法外の料金をせしめたり、ゆすりや脅迫、果ては車上荒しに発展している。二日の取締りは市内北東部に限って行われ、三百人以上が検挙され、うち百六十六人が署に連行された。四十四人は前科のある犯罪者だったが、午後六時には全員が釈放されて、それぞれの〃職場〃に舞い戻った。
家族の墓参りを利用して有名人に供花する人も多く、一番人気はモルンビー墓地にある元レーサー、アイルトン・セナの墓だった。花は幾重にも墓を取巻いた。歌手のエリス・レジーナも根強い人気を偲ばせた。九月に死去したコメディアン、ゴリアスの墓には人気がなく淋しげだった。
コンソラソン墓地ではガイドが参拝者らに有名人やサンパウロ市に貢献した人の墓を説明し、歴史を知るのに一役買った。高級墓地と言われるアラサは手入れが行き届いておらず、参拝者は強い不満を表明していた。