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伯米首脳会談開催される=FTAAでは平行線=伯政府の堅実な民主化路線賞賛=米、反米枢軸への仲介期待

2005年11月8日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】ブッシュ米大統領夫妻は六日、大統領別邸グランジャ・ド・トルトに招かれた。米大統領は、ベネズエラやアルゼンチンの南米諸国が試行錯誤する中、ブラジルが堅実な民主化路線を踏襲していることを賞賛した。懸案の米州自由貿易圏(FTAA)については原則論に止まり、伯米両国の国民が納得するものでなければならないとした。一方ルーラ大統領は、次期大統領選が両国関係に微妙な影響を及ぼすという懸念は誤解だと述べた。さらに伯米両国の外交関係は、政治を超越した次元にあることを強調した。
 大統領別邸内の友好的な雰囲気とは裏腹に、米大統領歓迎パーティーは反米デモで包囲され、身辺警護に政府は極力配慮した。両首脳は外交辞令に続き国家主権について意見を交わした。会話の流れは保健や技術、教育、農業、生態系、パートナーシップ、ナノテク、ブラジル人出稼ぎへの処遇に及んだ。
 一方、マル・デル・プラッタの第四回米州首脳会議は、ルーラ大統領が不満とする中、閉幕した。閉幕式に予定していた亜大統領もてなしのパーティーは、メニューの変更や仕出しの遅れで、試食せずに退場する要人やコーヒー接待を忘れるなど、残飯整理のような粗末なパーティーとなった。
 FTAAを協議する場として米州首脳会議はふさわしくないが、同会議の優柔不断さは世界貿易機関(WTO)のドーハ・ラウンドに支障を来たし、挫折はFTAAの混乱を招くとルーラ大統領は強く警告した。先進国が要求する市場開放は、途上国の産業基盤が確立した後にのみ容認できるものとして、米国案の受け入れを拒否した。
 中南米諸国の産業は七〇年代、外資の導入が容易になってから動き出した。八〇年代は国営企業の民営化でやっと息をつき、雇用創出が始まったばかり。ブラジルの場合、二十二年間にわたる景気低迷に悩まされた。経済成長は、適切な産業政策と国民の生産能力、対外政策の総合点であることに気付いたと述べた。
 従って地域協定のFTAA創設はWTOドーハ・ラウンドへの支障になり、途上国の発展を妨害する農業補助金制度廃止のチャンスを失うことになると、大統領は糾弾した。FTAAはWTOの中で討議するべきで、WTO抜きのFTAAはないと語った。
 米政府は、中南米地域で台頭し始めたベネズエラとキューバ、ボリビアの反米枢軸に憂慮している。和解のため、対ベネズエラ政策でブラジル政府が仲介の労を執ることを米政府は期待している。ブラジルも国連常任理事国入りへの支援を米政府に期待している。
 ブラジル政府は、原油輸出で米国と相互依存関係にあるチャベス大統領の譲歩があるとみている。米国の対ベネズエラ投資も堅調で、あなどりがたい関係にある。ブッシュ米大統領は中南米の反米枢軸で、ブラジルが歯止めになると踏んでいるようだ。

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