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財務相に伸びる捜査の手=R・プレット市汚職=検察、本格捜査開始=清掃会社からPT裏帳簿へ金

2005年11月8日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】労働者党(PT)の地方行政団体が絡んだ不正資金の流れ、いわゆるビンゴ疑惑を追及している議会調査委員会(CPI)とサンパウロ州検察局は、リベイロン・プレット市を中心とした汚職の一部がPTの裏金として流入していた事実を突き止め、立件に向けて本格的に捜査を開始した。
 不正は二〇〇一年から〇二年にかけて行われ、パロッシ財務相が当時、同市の市長を務めており、市長の腹心や幹部が関与していた疑いが濃厚で、財務相にも捜査の手が伸びるのは必至の状況となった。
 財務相は公式声明書で一連の疑惑を否定している。ルーラ大統領は一連のスキャンダルについて、根も葉も無い告発にCPI躍らされているとした上で、それをセンセーショナルに書きたてる新聞報道に問題があると怒りをあらわにしているが、ジルセウ前官房長官、秘書室長に続き、現政権の要といわれる財務相の身近がキナ臭くなったことで、政府に対する不信感がさらに強まったとみられている。
 同市の不正は、当時のパロッシ市長の側近で補佐官だったブラッチ氏が八月にCPIで証言したのを基に検察局が捜査した結果、供述通り事実が確認された。検察によると、同市の清掃会社レオン・レオン社が実際に行われていない清掃業務の虚偽申告で代金を受け取っていた。また三社の第三者に清掃用の資材や機器のカラ請求書を発行させて、これも市役所から入金していた。
 同社の入金額は二〇〇二年一月は四万三〇〇〇レアルだったが、三月には二三万六〇〇〇レアルへと一挙に膨れ上がった。レオン・レオン社はこのうちから相当額を市当局幹部に払い戻し、そのうちの五万レアルが毎月PTの裏帳簿に流れていたという。
 さらに証言によると、不正は同市に限らず、近隣のマトン、セルトンジーニョ、モンテ・アルトの各市でも同様に行われていたとのこと。レオン・レオン社で押収された重役室のコンピューターにこれらの金の動きの明細が記載されていたことで、立件できると検察は意気込んでいる、
 当時のリベイロン・プレット市の清掃担当局長は、パロッシ市長の側近だったローザ氏の妻が不正の鍵を握っていると見ている。ローザ氏はパロッシ財務相の就任にともない、ブラジリアの連邦データ管理局長に就いている。