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史上最悪の口蹄疫感染=牛2万頭をと殺処分へ=南マ州で被害拡大の恐れ

2005年11月9日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】マット・グロッソ・ド・スル州で発生した口蹄疫は世界各国に衝撃を走らせ、国内産業界にも大きな打撃を与えたが、農務省の予測では同州のみで二万頭の肉牛がと殺されて廃棄処分にされると見ており、史上最悪の事態を招く結果となった。これまでの記録は二〇〇一年にリオ・グランデ・ド・スル州ジョイア市で発生した口蹄疫で一万一七〇〇頭が処分されたのが最高となっており、これをはるかに上回る数字となった。
 パンアメリカ口蹄疫センターによると、これまでにマット・グロッソ・ド・スル州で確認された口蹄疫に感染した牛は四四四頭に上っている。国連の世界保健機構(WHO)の憲章あが、感染が確認された牧場内の全ての動物は廃棄処分にしなければならないと定めているため、同州の二十一カ所の牧場内で飼育されている感染した牛一万三七一三頭すべてが処分される。一部はすでにと殺され、土中に埋められた。
 同州検疫局は、口蹄疫の第一号が発生したエルドラド市を中心に二十五キロの範囲の五市を封鎖して百人の検疫官を投入、検査を進めているが、全ての検査が完了するのは少なくとも二週間はかかるとみている。これまでにエルドラド氏で四牧場、隣町のムンド・ノーボ市で二牧場、同じく隣のジャポラン市では、十六牧場で感染が確認されており、さらに増える可能性が高い。
 これが、農務省が二万頭の感染を予測する根拠となっている。さらにムンド・ノーボ市で一カ所、イタキライ市で二カ所、イグァテミ市で二カ所が疑惑地区と見られている。検疫局では検査は急を要するとしているものの、あいにくここ数日間の降雨で作業が進んでいない。一方で乳を搾って生計を立てている小牧場も数多くあり、飼主とその家族の説得に時間を要している。と殺処分に対する賠償について政府の態度が明らかになっていないのが原因だ。
 農務省では今回の口蹄疫の病理検査で原因のウイルスを突き止めて新型ワクチンを製造し、予防接種にこぎつけたことで、同州以外の地域での感染はあり得ないとみているが、同州では被害がさらに拡大すると予想している。
 全国に検疫官は三千五百人おり、空港や州境に配備されている、同州には百人が派遣されており、折しも検疫官労組が待遇改善を要求してストを決行しているが、同州の検疫官らはそれを返上して勤務している。また、疑いが持たれながらもシロと断定されたパラナ州も、五十人の検疫官が二十四時間体制で検疫に従事している。